本来、日本の木造建築は軸組工法です。湿気の多い日本の風土では、釘や金物だけに頼らず、鎌継ぎ・蟻継ぎ・顎掛けといった木組みを重視する構造は大変理にかなったものでした。これらの継手・仕口といった加工技術は日本が世界に誇る木造建築の芸術といっても過言ではないと思います。当然、強い耐震性能を得るためには金物は必要ですが、金物はあくまでも構造的な補強ととらえるべきで、釘・金物だけに頼る工法は危険だと考えています。高温多湿の日本の風土においては、まず木組みを重視することが木造建築においてもっとも重要なものであると考えています。


耐震性能

耐震等級3(阪神大震災クラスの1.5倍の地震に耐えられる耐震性能)で構造設計を行います。耐力壁には建物の変形量を小さく抑えることができる構造用合板と、合板より湿気等に強く耐久性に優れた無垢材(赤松)の筋かいを併用します。また、横架材等の断面設計においては宇都宮市においても積雪荷重100pで構造計画をおこなっています。
構造計画する上で重要なことの一つは、建物全体の構造的バランスです。たとえば、耐力壁は単に強ければいいというわけではなく、強くすればするほど、柱に過度の引抜応力がかかり、その引抜力への対処、さらには基礎の補強といった対応が必要になってきます。また、耐力壁を集中させすぎると、偏芯率(建物の重心と剛芯の差から算出される値)が大きくなり、不安定な建物になります。そのためにも、プランニングの段階からプランにあわせた適切な構造計画を並行して進めることが重要です。